ブログ開設にあたって


私が鉄道というものに初めて興味を持ったのは、3歳のころと記憶している。

父親の東京出張について行って、親父が働いているあいだに母親と一緒に電車に乗りまくるという旅行をしたのがきっかけである。
生まれも育ちも新潟の私は、「鉄道」といえば、1時間に1本、ちんたらちんたら走ってくる、古臭い緑色の電車が全てであった(それが国鉄115系だということを知るのはずっとずっと先の話である)。
鉄道というものに対してその程度の認識しかなかった私が、3分おきに走ってくる、色とりどりの帯を纏った銀色の通勤電車や、スマートに走る特急列車、長大編成で機関車に引かれてやってくる貨物列車と出会ったものだから大変である。
幼き私はそのカッコ良さにすっかり虜になってしまった。

こうして小学生の時分は車輌に興味があったのであるが、中学一年生のときあたりから、駅名というものに興味が移ろっていく。
中学生になり、ある程度自由を得た周りの友人たちは、放課後や週末にもなると、カメラをたずさえていろいろなところに遠征に出ては電車の写真を撮りまくるようになる。
しかしお金も親の許可もなかった私は、そんな彼らをただ羨ましく見ることしかできなかった。
羨ましく見ていた金欠の私を慰めてくれたのが、図書館に置いてあった時刻表である。
「将来お金がいっぱい持てたら、あそこへ行きたいここへ行きたい」
と空想旅行を計画しては方眼ノートに旅程を書き記した。
その過程で
「あれ、この駅名なんて読むんだろう」
「なんだこの駅名、変な名前だな」
などと思うことが多く、気になって調べているうちに、
「日本全国の鉄道路線の駅名、全部調べたらどうなるんだろう」
と思い立ったのである。

「ただ調べるだけじゃもう誰かやっている、「全部」調べ尽くそう」
と変なスイッチが入ってしまった。
普段私たちの使う駅は勿論のこと、貨物駅、信号場、果ては廃止された路線……
文字通り「全部」やってやろうじゃないかと無謀にも画策したのが高校2年の夏だった。

なぜこんなにも労力のかかることを始めてしまったのだろうと少しく後悔している(笑)
思い立ってからいろいろなことがあった。
中でも一番ガックリきたのは、集めていたデータが記憶媒体の故障で全部吹っ飛んだことである。
肉体的にも精神的にも追い込まれていた時期があった。
浪人もした。
大学では勉学が忙しい。
サークルは毎週末潰れるブラックサークルである(好きだから続けているけど)。
アルバイトだってある……

そんな一個人が趣味と野望と諸々を兼ねて調べあげた「大人の馬鹿の自由研究」。
調べたからには一人でニヤニヤするのではなく、ひとさまにも見てほしい。
かくしてこのブログの開設と相成った。
いきあたりばったりでつくったから、どうなるかは私も分からない。
どうか暖かい目で見守ってくだされば、管理人としてこれほど喜ばしいことはない。

ブログ開設にあたって
令和元年5月吉日
駅名読み方大全の管理人

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