北海道保存車輌制覇の旅~5日目その4~


旅も終盤にさしかかりました
新得町SL広場を出発した管理人は

狩勝峠の入り口まで進みます
国道38号線で走っていき、狙うは旧狩勝線ミュージアムのSLと客車
畑が見えなくなるあたりから急に勾配がきつくなってアクセルを踏み込みましたが、これくらいの坂ではまだカローラも余裕があると見えて、息苦しそうな感じもなくたどり着きました
もう少しで危ないところでしたけど(笑)
時刻は14時少し前です

 

9600形蒸気機関車59672と20系寝台客車3輌が保存されています

 

機関車側面
ナンバープレートの数字、「5」と「96」、「96」と「72」の間に妙な隙間があります
この分かち書きのようなプレートがオリジナルだというのであれば、これは初めて見る形態です

 

客車
20系が北海道で運転されたことはないのですが、機関車の後ろに客車がくっついているだけで存在感というか雰囲気は満点ムードになります
あとは特徴的な丸屋根を持つ電源車か緩急車が保存されていれば完璧でした
車内は資料館となっており、狩勝線の歴史をたどることができるほか、たまーに泊まれるイベントを開催しているらしいですが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で閉まっていたので外観を撮って撤収

 

お次に向かうのは日高山脈ビラパークという公園
ここへ行くために

この旅ほぼ最後にして最大の難所、日勝峠を越えていきます
1日目の塩狩
2日目の西士別・士別・学田・天北(途中まで)・幌内越・美深・毛登別
3日目の浮島・北見(高速道路でワープ)・根北(途中まで)・美野
4日目の開成・釧北(途中まで)・鹿の子・釧勝(高速道路でワープ)
5日目の三国(途中まで)……
と、これまで多くの峠を越えてきた管理人
しかし日勝峠越えとなる国道274号線は、それまでのどの坂道や峠よりもきつく、厳しく、そして何よりカローラスポーツの息切れを存分に実感するルートとなるだろう……
覚悟を持ってまずは新得から再び(鹿追町の緑町交通公園から新得町のSL広場に向かう際、ちょっとだけ通過している)清水町に足を踏み入れます
根室本線に沿って国道38号線を南下し、コメリハード&グリーン(十勝清水店)を横目に見つつ、国道274号線の入り口へ

 

清水町役場に掲げられている垂れ幕に頭の中が「?」になりながら進んでいきます
後で調べたところによれば、清水町の熊牛開墾を目的に設立された十勝開墾合資会社に渋沢が関わっていたということだったのですが、車を運転している管理人はそのときは遠き北海道の地と何が渋沢と関係しているのかわからず、
「大河ドラマの宣伝効果ってすげえなあ」
なんて思いながら線路の上を越えていきました

 

十勝清水ICを通過するといよいよ登坂が始まります
特に登坂車線が出現し、ドライブインか何かの建物を過ぎたあたりから急にカローラのスピードが落ちていき、アクセルいっぱいに踏み込んで60km/hをやや上回るくらいがようやくといったところ
「レストランっぽいけど山の中なのに『日高昆布』って書いてあるぞ?!」
と横目に見つつ
「パワーーーーーーーー!!!!!」
と(心の中で)叫びながらアクセルをべた踏みして登坂車線を走っていきます
その横をほんまもんのスポーツカーが追い越し車線をすいすいと走っていく姿に
「遅いなあ……」
と独り言ちて、ヘアピンカーブへ突入
清水の街中では遠くに見えていた山々とでっかい「」の看板が眼前に迫ってほぼ360°の転回
スピードはいよいよ落っこちて50km/hそこそこを維持するのがやっとになってきました
確かに制限は50km/hですが、べた踏み50km/h台でしかもちょっとずつちょっとずつながら速度が落ちていくのはやっぱりきついものがあります
S字カーブ+90°のカーブを過ぎると若干の小休止と言わんばかりに勾配が緩くなったので、少しスピードアップ
カーブ前で40km/h台までいってしまうのではないかと思しき息切れを見せつけられては、こうでもして加速をつけてから挑まないとエールを送っている人間の方が先に息切れしてしまいます(笑)

 

60km台後半くらいまで上げてから90°+ヘアピンカーブに突っ込むと再び坂がきつくなり
「等高線を横切っているなあ」
それでもここまできつい坂を上ってきたのですから、いい加減サミットも近いだろうと、そう思っていたのです
この看板をみるまでは。

 


「まだ4合目ぇぇぇ???!!!」
十勝清水IC真下を過ぎてからいよいよ10kmになろうかというところ、ここまで走ってもまだ坂の過半にすら達していない状況に、思わず
「ウソだろまだ4合目かい!!!」
と声を上げてしまう管理人
しかしその驚きは

 


この長い長い直線の坂を前にして
「なるほどこれはまだ4合目だ」
納得と諦めの感情に変わりました
さらに

 


「え、登坂車線終わり??!!

 


まだ坂は続くんだけどなあ……

 


展望台まできてようやく5号目
まだまだ坂は続きますが、登坂車線はありません
えっちらおっちらヘアピンカーブを曲がると

 


「よし登坂車線復活!!」
なぜこの短区間だけ未整備なのかはわかりませんけれども、ともかく2車線になったおかげで後続に遠慮なく息切れすることができます(いやしてほしくないんですけど(笑))

 


6合目付近になるとだんだん道の右側が開けてきて、車窓も大変によくなってきました

 


7合目を過ぎると小刻みに緩いS字カーブが続いたのですが、その先で

 


「どうしてまた登坂車線終わるんだよぉぉぉ……」

 


2車線+1車線のトンネルを掘りたくなかったとかそういう理由でしょうか(笑)

 


9合目
標高は960mに達しています
夏なのとそこそこ晴れていたのと車の中なので何も感じませんが、おそらくかなり気温は低下しているでしょう
4日目夜に友人にLINEしたら、「夏でも霧が発生することもあるから、日勝峠の交通情報は念入りに確認しろ」と忠告されました
幸いにしてピーカン状態で通過です

 

トンネルを抜け、日勝大橋を渡って……

日勝トンネル入り口、ようやく峠の頂上に到達!
車の中でガッツポーズしながらトンネルに突入です
ここからはずっと下り坂、エンジンブレーキをいっぱいに効かせながら55km/h一定で下っていきます
前を走る車たちが70km/h以上になったかと思えば40km/hくらいに落としたりと一定せず、こんなクネクネの道で初心者がそんなロックンロールに付き合おうものなら、シャレにならない事故を起こしかねません

 


インパクトのある看板もあるものだと思いながら、峠の向こう側、日高町に突入です
ヘアピンカーブとS字を切り抜け、左側に川を眺めながら急下降
クネクネ道にシフトレバーを握る手が汗に滲みます
ただ登りの際のヘアピンカーブ連続と比べると、息切れしたり、あるいは急カーブというものはそこまでなく、

 


このような可愛らしい絵を楽しむ余裕くらいは出てきました
速度はエンジンブレーキをガンガンに効かせればそこまで暴走しないので、あとは車間距離を十分に保つことに注意すればいいくらい
とここで

 


工事でもやっているのか、シェルター内で片側交互通行になっていて、現在はこちら側が規制中
トンネルの中でハザードを炊いて後続車に知らせるのは今まで家族親戚の誰もやったことがなく、管理人初めての体験です

 


カーブした先に停止線があったので、各々がハザードを炊いて後続車に知らせます
大体1分くらい停車していましたが、その間に前5台ほど、後ろに10台ほどが連なりました
管理人の前後に全く車がいなかっただけに「こんな道なのに案外通過する車いるんだなあ」と感心することしきりです
まあこの道以外で日高山脈を越えるとなると、あとは高速道路か狩勝峠かという選択になりますからね
高速は金がかかりますし、狩勝峠は富良野・金山に迂回するか、落合→トマム→占冠と県道を通るしかなくなるので、登坂車線もあり峠越えの上り下り共にそれなりに整備されているという意味で、日勝峠は有力な選択肢なのかもしれません
そんなこんなで田んぼが見え、日高駐屯地の脇を通過し、「道の駅 樹海ロード日高」が見えるあたりで、日勝峠越え完了です
流石に疲れたので道の駅でリフレッシュし。道道847号線に入って日高山脈ビラパークには15:15の到着です

 

沙流川温泉日高高原荘のお隣に保存している9600形蒸気機関車79616

 

正面から

 

斜め後ろから
こうしてみると炭水車の錆がすごいですね

 

説明板
川崎造船の文字に「お?」となりましたが、鉄道車輌製造部門の分離による川崎車輌設立が1928年なので、多分誤植ではないと思われます

 

さあ、撮影箇所はあと3つ
最終盤になってきました