年度末・年度始めの取材旅行~準備編


私の悪友は今も新潟を本拠地として鉄道・列車を撮り続けています
新潟といえば一昔前は全国津々浦々で見られた
こんなのや

 

こんなのが残存する、骨董品の見本市のようなところでした
なにしろ新幹線車輌まで東北新幹線のおさがりです
ところが近年、一体JR東日本は何を思ったのか、新津の車輌製作所(いまだにJ-TREC総合車両製作所新津事業所という名前に慣れない)や新潟鐵工所改め新潟トランシスで新造した新車を、続々と新潟地区に投入し始めました
趣味的には、特にオールドファンにとっては、広島・金沢・岡山などと並び「聖地」の如き様相を呈していた新潟地区から国鉄時代の車輌が駆逐されつつあることを嘆く向きもありますが、元県人として、また元一利用者として、ようやく新車が入ってくれて大変嬉しい限りであります
走る音はガタピシガタピシ!!!ゴロゴロゴロゴロ!!!、窓から隙間風が吹き、冷房は大して効かないくせに足元は馬鹿みたいに熱くなる暖房、自分の手で開け閉めしないといけない半自動ドアがデフォルト……などという車輌は、もういい加減引退してもらわねばなりません

 

閑話休題
その古い車輌の中でも一際古いのが、磐越西線を走る
こいつであります
1946年の製造以来一貫して新潟を中心に活躍し、退役後も新津の小学校に保存されていたSLは、1999年の復活以後「SLばんえつ物語」の牽引を主として元気に活躍を続けています
近年は流石にガタがきているものの、春から秋にかけて毎週末往復200km以上も走るその勇姿は鉄ちゃんならずともクギ付け
長時間の停車となる津川駅などでは記念写真を撮る人たちが引きも切らない人気ぶりです
悪友もご多分にもれずSLを追っかけ回しては写真を撮ってTwitterなどにアップしている
それを見ているうちに、私もちょっとSLを撮ってみたくなったのです(笑)

 

東京近辺で運行されているSLは、高崎を中心に動かしているJRの他に東武鉄道・真岡鐵道・秩父鉄道・大井川鐵道が挙げられます
東武鬼怒川線はこの間行ったのであんまり同じところに続けていくのも芸がない、大井川鐵道と真岡鐵道は以前別の計画で別日程で訪れることが既に決まっていたので、今回は秩父鉄道をひとつ狙ってみようじゃないかというのが事の発端でした

 

東京都心から秩父鉄道へ行くルートとしては、
①熊谷へ向かうJRルート
②寄居へ向かう東武東上線ルート
③西武秩父へ向かう西武ルート
があります
①を採ると途中撮影できるものがニューシャトルくらいであること、②にしても東上線と越生線を撮るくらいしかないことから、早い段階で③の西武ルートで行くことは決定していたのです
西武鉄道は新宿線を除いて全く写真を撮っていないこと、ちょうどこの計画を考え始めているときに「西武線沿線 プリンスホテル ランチきっぷ」というお食事券付き1日乗車券が発売されるというプレスリリースがでたこと(こちら)もあって、
「よし、じゃあ土曜か日曜の朝出発して西武線撮りつつ川越行ってお昼食べて、そのあと秩父行ってSL撮って、ついでに52席の至福撮って帰れば、SLついでに西武線の写真が確保できるじゃん」
などと最初は甘っちょろいことを考えていました
ところが計画の都合上川越でお昼を食べ始めるのが13時前となってしまったため、それから秩父へ行くとなるとどう頑張ったって秩父へつくのは16時手前
SLはとっくに熊谷に辿り着いています
これはいけません(笑)
そこで一計を案じた管理人は、「ある週末の朝西武秩父線経由で秩父鉄道へ行き、秩父鉄道の1日乗車券を駆使して明戸駅付近からSLを追っかけつつ、正午を過ぎたら西武秩父線に戻って52席の至福の往路を撮る。撮ったら再び秩父鉄道へ戻って今度は三ヶ尻線用に貨物列車を撮る」「その日とは別にもう一日を明けて、その日で西武線を制覇する」という2本立てプランを編み出したのであります
よし完璧や!」と思ったのですが、これも私の写真を撮りたいところでSLを撮ろうとすると、そこから戻って52席の至福を撮るのが大変困難になることが判明
そもそもの問題として、毎年3月半ばから1か月ほど秩父鉄道の貨物列車は運行していないため、「三ヶ尻線用に貨物列車を撮る」などという芸当はこの時期逆立ちしても出来ない
これには頭を抱えてしまいました

 

時刻表をひっくり返し、撮影地点を見直し、各社の「お得なきっぷ」の項を見返し、難産の末に
①予定の空く3月27日朝、武蔵横手~高麗にある通称『高麗カーブ』で52席の至福を撮り、その後秩父鉄道へ。秩父鉄道ではタイミングよく来るSLを樋口駅近くで撮影したのち、長瀞駅近くにある宝登山ロープウェイを撮って帰る
②たまたま出る用事のある4月3日に用事を済ませつつ川越でお昼を食べつつ西武線を制覇する
③そのうち貨物列車の運行が再開されるので、そのときに東武東上線ルートで再び秩父鉄道へ。SLと貨物を撮り、ついでに越生線を撮る
という3本立てに決定しました
……私の文才のなさでこの決定に至るまでの道のりの辛さが1/10ほども伝わらないのが残念なところです(笑)
さあ、世間はいまだ新型コロナウイルスに振り回されている中で行われた取材旅行、その第5弾がいよいよ幕開けです