発掘された鉄道写真2019~その5


2010年12月、東北新幹線が全線開業したとき、私は新潟の厳しい冬の寒さと学校の期末試験の結果でふるえていました(笑)
海岸に近く、かつ佐渡島のおかげで新潟市内は大雪は降らないのですが(それでも近年は一晩で20㎝くらい降る日があって困る)、北風だけはどうにもならないくらいに冷たいのです
さらに雪は降らずとも雨が降って容赦なく体温を奪います
冷え性の私にとって、大変に厳しい環境でした

そんな新潟も雪が融け、春も過ぎ、7月のことだったと記憶しています
この時も私は学校の期末試験の結果にふるえていました(笑)
そんなある日、悪友がこんなことをささやいてきます
「E5系が新潟に試運転でくる」

ほーん、東北新幹線で使うクルマが新潟にくるなんてなあ、なんて聞き流していました
当時はいろいろと鬱憤がたまっていました
このスピード競争の中で上越新幹線だけがいまだ240㎞/h運転であること、いつまでも200系が走っていること、一時間一本のローカル線然とした運転頻度、E5系の導入後は二階建て車両が転属してくることに対する「またお古か」という不満……
80万都市の新潟(子供のころは81万人いて、現新潟市長の中原八一氏が自分の名前とひっかけた看板を新潟市内に立てていました。今80万人すら切ったらしい)、20万都市の燕+三条、30万都市の長岡しか連なっていないんですからしょうがないんですがね
通過する県庁所在地だって、東北新幹線6(大宮、宇都宮、福島、仙台、盛岡、青森)、北陸新幹線5(大宮、高崎、長野、富山、金沢)に対し、上越新幹線は3(大宮、高崎、新潟)ですから敵いません

そんなわけで最初は撮る気がおこらなかったのですが、悪友らが撮っているのを見てナントカ魂に火がついたとでも言いましょうか
急いで新幹線切符売り場に行き、清水の舞台から飛び降りる思いで(え?)入場券を購入



快晴で日の光が差し込み白く飛んでいますが、試運転で新潟駅14番線にきた、東北新幹線用車輌E5系です
鼻がいやに長い
いままで撮ったことのある新幹線がMaxでおなじみのE1系や団子鼻の200系くらいしかないものですから、初めて見たときは呆れかえったというのが正直な感想です
こんな長いのがいるのか、みたいな


11番線にいた(上の写真でもちょっとだけ見えます)E1系とのツーショット
ドシンとしたE1系に比べ、E5系はシュッとして……いると言えればいいんですが、どうも変に膨らんでいてモッタリ感があるように感じました
横から見ればまあ確かにシュッとしてると言えなくもないです
そういえばこのE1系もなくなってしまいましたね
「超大量輸送」「新幹線通勤」の象徴のようなこの形式の消滅にはいろいろ思うことありまして(車輛が云々というよりは、その周りの情勢が)


ロゴマークかなにかでしょうか


頑張ろう日本のロゴ
震災がおきて半年もたっていない頃の撮影です


グランクラスのロゴ


グランクラスのシート
「飛行機みたいだな」って思いました
もっとも飛行機なんて昔々新潟~大阪伊丹便で往復したくらいです
しかもプロペラ機
ファーストクラス・ビジネスクラスの席を自分の目で見たのは、それから何年かたったのち、エア・カナダの飛行機に乗った時が最初ですから、当時は想像や映像の中でしか見たことがありませんでした

撮り終わった後、
「こんな新幹線が上越でもはしらんもんかなあ(無理だろうけど)」という思いが去来したことを思い出します
ところがそのウン年後、E7系というグランクラスのついた最新鋭車両が走るときいて、思わず飛び上がりました
やっと、新車が、きた……!!
ただしそのサービス内容が「ああ……まあ……しょうがないね」レベルだったことには、失望とも諦観ともつかぬ何かを感じました


本日のおまけ
越後線寺尾駅の自動券売機にて
色がまだ登場当時の(朱鷺色に塗り替えられる前の)塗装です
さすがにもう変わっているでしょうか、それとも……