年末年始の取材旅行~3日目その6


特急つがる4号を見送って予定通り大館駅14:15発の秋田駅行きに乗車した私は、4駅先の鷹ノ巣駅を目指します
ここでは秋田内陸縦貫鉄道を撮ります
鷹ノ巣駅には遅れることもなく14:32に到着

秋田内陸縦貫鉄道と新潟県は変なつながりがあります
現在のほくほく線の建設工事が国鉄の赤字を理由に凍結された際、「他は凍結するがここだけは貨物線として特別に開業させる」といった田中角栄元首相(ここら辺にも田中角栄氏がたたかれる理由が垣間見えます)が突如、第三セクターでの開業を提言します
新潟県も沿線自治体も、逮捕されたとはいえ依然政界に大きな力を持っていた田中氏を信頼していたためにこの提言にはびっくりし、特に当時の新潟県知事は「国鉄がやってもダメなものを素人がやっても無理だ」と慎重論を唱えました
ここで知事は第三者の経営コンサルタントを呼ぶのですが、そのコンサルタント会社が秋田内陸縦貫鉄道に対して
永久に黒字転換する見込みなし
という恐ろしい判断を下した会社だったのです

 

………………

 

だからなんなんだって言われればそれまでなんですが、もう少し後日談を書くと、結局県知事の予想に反してほくほく線は黒字経営できると判断され、県知事ははしごを外された格好となり、ほくほく線も第三セクターとして開業、見事2015年まで黒字経営を保つ一方、秋田内陸縦貫鉄道に関しては毎年2億円近くの赤字を垂れ流すこととなり、コンサルタント会社の目の確かさがうかがえます

 

もうすこし普通のつながりを記しておくと、秋田内陸縦貫鉄道で使われる車輌は全て新潟鐵工(新潟トランシスの前身)で製造された車輌です

 

 

閑話休題
秋田内陸縦貫鉄道のホームは
この脇を通り過ぎ
この横断幕の下を通り過ぎた
この先で、JRのホームから改札をくぐることなく行けます

 

一応ホームに出ていた駅員さんらしき人にきいたところ
「列車を撮るだけならよい」とのこと
そこまで時間に余裕があるわけではないので急ぎます

鷹巣駅(秋田内陸縦貫鉄道側の表記)14:40発の急行もりよし3号

 

それにしても私は急行もりよしといって
こいつが出てくるのかと思ったら、経費削減の一環で今は一般車で運行しているのだそうでがっかり
(画像はWikipediaから)

まだ前面に「急行 角館」と掲示してあるのでよいのですが

 

なんだかバスみたいです

 

車輌番号

 

側面に書かれていた絵
下の犬と人が手を取り合っている写真は、社章が見当たらなかったため秋田内陸縦貫鉄道のページを飾っていただくことにしました
かわいいし、たまにはこういうのもありでしょう

 

よく30年ももったと思います
今後持つかどうかはかなり怪しいと言わざるを得ませんが……

 

後ろから

 

無事列車も発車していったので周辺の撮影
観光案内がやけにポップです

 

おそらく車庫
果たして秋田内陸線は「名物」なのでしょうか

 

これはよくわからない縦書きの駅名標
鷹巣駅はひらがなで、その次の西鷹巣駅は漢字なんですね

 

駅舎ホーム側

 

 

JRの改札を抜け、秋田内陸縦貫鉄道の駅舎にお邪魔します
運賃表
小ヶ田駅までの運賃が据え置かれているあたり頑張ってはいるようですが、もうすこし運賃上げないとやっていけないのでは?

 

普通の紙に印字された時刻表
これは駅舎の壁に貼ってありました

 

発車メロディーを提供した向谷実さんのサイン色紙

 

自社購入の備品ではなく寄贈品だそうです

 

これを撮っている間に駅事務室に電話がかかってきて一人しかいない駅員さんが応対していました
なんでも阿仁合駅から忘れ物が届いてきたのでこれから警察に行ってくるそうです
駅には一人しかいませんが、警察へ行っている間誰か代わりはいるのでしょうか
それとも最終列車の後に行くのでしょうか
それを知る前に私は15:56発の秋田駅行きで発ってしまったので、どうなったかはついぞ知りません