北海道保存車輌制覇の旅~準備編2~
そう、私は7月の頭まで、「2年ぶりの西日本かぁ、岡山以西は一度も行ったことないからどんな景色が広がっているのか楽しみだなぁ、あ、奥出雲おろち号の指定席券10時打ちしないと、10時打ちについても準備編2として1本記事仕立てようかな、広島のしゃもじ牡蠣飯って美味しいんだろうか、そういえば路面電車見るのも2回目じゃん……」などと旅に向けて期待を膨らましていたのです
ところが、天のなすことは残酷すぎるもので、梅雨の激しい雨が熱海に続いて山陰地方を襲い、多くの人や財産が被害にあうという好ましからざる事態が発生してしまったのです
被害は無論鉄道施設にも及び、一畑電車の線路が歪む、山陰本線では土砂崩れ、木次線は地盤流出などの被害が多発
特に木次線は線路の下の土を丸々持っていかれてしまったため、最悪はそのまま廃止、復旧するにしても半年一年はかかるだろうと予想されました(実際ははるかに早く復旧されたわけですが)
これでは撮影旅行もなにもあったものではありません
ここにきて管理人は急ぎ善後策を練る必要に迫られたのです
案①……既に作成した旅程から2日目3日目の「倉敷→出雲市→三次→福山」の大回りルートを削除する
この場合一畑電車全線・木次線・福塩線が撮影できなくなり、また芸備線の差し替えが厳しくなります
また単に東京と下関を往復するだけに留まってしまうことになるので、それは味気ない
案②……旅程を作成する段階で放棄した北陸の各線を旅程に復活させる
北陸までいく/関西方面から東京へ向かうルートが難題である上に、前半が「夏の取材旅行」の行程とややかぶるのでこれも新鮮味がない
案③……リベンジをせず、一畑電車・木次線・福塩線も諦める代わり、四国を新たに旅程に加える
四国には私も私の悪友もノータッチであり、かつボリュームもそれなりに見込めますから行先としては申し分ありません
ところが四国の場合路線名を改称したところが多く、大抵のJR路線において4枚ずつ(ところによってはそれ以上)撮らないといけないため、そこで時間的なロスが生じる
本数が決して多いところでもないため、旅程が伸びるのもお財布的に痛手です
さらに舞台が真夏の南国であるという点も私が二の足を踏む要因となりました
実際「夏の取材旅行」では脱水症状になってフラフラのまま撮影していたわけですからこれは重要な問題です
さあ困った、どうする……
という思考の流れの中で急遽浮上してきたのが、
「そうだ、暑いときに何も南に行く必要はない、暑いときこそ北へいけばいいんじゃないか」
「ならば既に行く場所は決めておいた『北海道廃線巡りの旅』を今ここで復活させればいいのでは?」
本当はこの夏に行く予定であとはルートを決めるだけだった「北海道行き」を、ここにきてカムバックさせるることによって今夏の旅の計画を埋めようと試みたのです
この「北海道行き」の最大の特徴は、
動いている車輌は撮らないこと
そして取材旅行史上初となる
レンタカーで移動すること
レンタカーならば北海道に点在する廃線を効率よく回ることができるため、大変にうってつけです
ちょうど免許を1年くらい前に取ったのですが、ここまで運転しておらず
「北海道の僻地ならだれもいないし運転慣らしにもってこいだろう」
という北海道の民にとっては大変に失礼な自己中心的考えもありました
さあ、そうとなれば俄然浮上してくる難題が
一体どこからスタートしてどのようにめぐってどこをゴールにすればいいのか?
ここでこちらをご覧ください
これが管理人の作成した、「廃線巡りするんだったらここは回りたい」とピックアップした地点です
それにしたってすごい数です。Excelで一覧にしてみたら130余もピックアップしていました
これではルートを考える前に、ポイントの取捨選択を行わねばなりません
でもなあ、取捨選択っていったってなあ、なるべくなら全部回りたいしなあ……でもレンタカー代高いから全部は不可能だしなあ……
いろいろ点と線を繋げては消し、消しては繋げを繰り返すこと丸4日
「そうだ、道南を捨てよう」
渡島半島南端に固まって存在するポイントを制覇しようとすると、途中積丹半島側を通っても内浦湾側を通っても2日はかかる
しかしながらかけた時間の割にはあまり写真の枚数を稼げない
ここは思い切って道南+苫小牧・室蘭エリアを放棄し、ポイントの密度が高い道央以東をターゲットにしよう……
そうなればいきおい段取りがスムーズに決まっていきます
道央以東を巡るわけですからスタートは東京からの便が多い新千歳空港に決定
空港からは夕張・帯広方面を攻めるか滝川・旭川方面に北上するかの二択が考えられましたが、疲労がたまっていない初日のうちになるべく多くのポイントを制覇しておきたかったことから北上ルートを採用
2日目のうちに宗谷岬に到達したのちはオホーツク海沿岸を南下して道東に入り、道東内陸部を一周して白糠丘陵を突っ切ります
最終日は日高山脈の東側を一旦南下してから北上、大雪山の手前で折り返して日勝峠を越え、今度は山脈西側のポイントを押さえつつ夕張にも立ち寄って……
計画しながら
「これ体力的にも運転技術的にもいけるんか?」
と恐ろしくなってきたので、今回の旅ではヤバいと思ったら躊躇なく撮影を諦めることを自分自身に厳命しました
他人の運転する列車に乗って旅をするのであれば無理や無茶は貧乏旅の一つのアクセントにすらなりうる要素ですが、今回は外ならぬ自分自身がハンドルを握って慣れない土地を走り回りますから、無理や無茶は冗談でなく生命の危機に直結します
そんなこんなで何とか予定を組み上げ、JTBで飛行機の手配を済ませ、広大な原野を走り回る取材旅行、第6弾が幕を開けます