北海道保存車輌制覇の旅~2日目その9&3日目その1~


管理人は引き続き稚内港北防波堤ドーム前の車の中で悩んでいます
予定通り北見枝幸へ行くか、しかし行くとなると夜中の山道を

長い時間をかけていかないといけない
しかしいかないとなると明日の行程に影響が出る
お昼に名寄で電話したところに予定通り行くには、今日中に枝幸に向かわないと非常に厳しいものがある……

 

悩みに悩みぬいた結果

ひとまず道の整備されている豊富駅までは向かい、そこでもう一度考えることに
そう決心して稚内港北防波堤ドーム前を出発したのが21時頃です

 

暗い夜道、ちょっと寂しくなってきたのでラジオをつけることに
STVラジオとHBCラジオで北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズの野球中継をやっていたのですが、HBCはちょっと感度が悪かったためSTVで聴くことに
試合は9回に差し掛かって日本ハムがロッテに3-0のリード、このまま日ハムが勝つかと思いきや抑えの杉浦稔大投手が大乱調です
初っ端からポンポンとヒットを打たれて3-1、それでも2アウトまでこぎつけて「よしまああとワンアウトだな」と思いきやタイムリーを浴び1点差、さらにフォアボールで歩かせて再びタイムリーというとんでもない投球を見せつけてくれます
思わず
こんこんの旦那さんよぉ……
(※杉浦投手の妻は元モーニング娘。メンバーでテレ東アナに転身した紺野あさ美さん。愛称がこんこんである)
あと1つのアウトさえ取れば勝利の場面から同点にまで追いつかれ、STV実況の岡崎和久アナウンサーも解説の稲田直人さんも大変に辛辣です
しかもその裏にあっさり三者凡退で終わってしまい結局引き分けになってしまったので、非常に後味の悪い結末となってしまいました
中継後に流れたつなぎ番組に出演するお姉さん方の明るさが、かえって「9回3点差でほぼ勝ち確の状態から同点に追いつかれて引き分け」という悲惨さを引き立たせるようで、思わず笑ってしまったほどです
本当にこの日の最終回の日本ハムは、この年の低迷を象徴するような試合運びでした

 

さて、そのつなぎ番組も終わって少し経った頃、管理人は無事豊富駅に到着
その駅前に

このように鎮座しているのが「日本最北端の保存車」こと救援車オエ61 67
救援車とは事故などがおこった時に早く復旧できるよう資材を積んでおく車輌のことで、大抵は古ぼけて営業用には使えなくなったものを改造して用います(最近は新造する会社もありますね)
当時すでにボロだった車輌を使った救援車
それが廃車になってさらに露天で放置され続けていたのです
酷い外見です
そんな車輌が時刻22時をとっくに過ぎた夜中、この車輌が街灯と車のヘッドライトに照らされてヌンと出現したところを想像してみましょう
幽霊列車に見まがうが如き様相です
管理人はとりあえず一旦豊富駅のトイレに行って用を足し、宗谷岬から稚内へ行く途中で買ったおにぎりを車の中で食べつつ、再び今後の予定を思案します
結果的に出た結論は
「ちょっと休憩して日の出前に枝幸方面へ行こう

 

仮眠をとること4時間としばし、再び管理人が目覚めたのは草木も眠る丑三つ時です
午前3時の北海道北、いやはや寒いのなんのってこれが8月かと疑いたくなるような寒さです
士別より緯度が北なので当たり前なのですが、士別で何とか耐えられた寒さが、今度は着こんでもちと堪えられないくらいには気温が低い
寒さに震えながら外に出て再び用足しし、車に戻って救援車の元へ向かいます

 

丑三つ時に撮影した「日本最北端の保存車」オエ61 67
ご覧の通り、豊富駅は深夜でも待合室の明かりがついていて暗闇に包まれているわけではないのですが、ちょっと離れたオエ61の周りは街灯しか照らすものがありません
……ちなみに豊富駅の前に停まっている車、あれは管理人の借りているレンタカーではありません
こんな夜更け、過疎地の駅だってのに突然やってきたワンボックスカー、彼の運転手は一体何をしに来たのか……
(それをいうならお前こそ午前3時に何をしているのか……というツッコミはなしで(笑))

 

こんなところはとっとと去るに限ると判断したビビりの管理人、急いで撮影を切り上げようとします
雲間から急に月が出てきました

 

一緒に撮影すると本当に幽霊車です(笑)
この写真がHPのどこかのページを飾ることはないのでこの辺で撮影を終了し、急ぎ車に戻ります

 

暗闇といいワンボックスカーといい、すっかり目の醒めてしまった管理人は車を発進、

枝幸へ向けて宗谷丘陵を越えんと決断しました

 

駅前の道を通り、

ガソリンスタンドの脇を抜けると早くも山登りがスタートです
それでも高速道路の下をくぐるまでは人家もあったので大した恐怖はなかったのです
豊富温泉を過ぎてからはいよいよ人影はなく道を示す矢印もない暗がりの中、自らの車の照らすライトだけを頼りにしていかねばならないのです

 


相変わらずのクソデカ警告表示に肝をつぶしかけつつ、後続車のいないことを幸いに30km/h程度でそろそろ進んでいくと、本当に肝をつぶす代物が現れました

 

 

 

 

 

 

 

そう、鹿です
(イメージ図。画像は写真のフリー素材ソフトphotoACより)
それも一匹や二匹というレベルではありません
20、30という鹿の目が一斉にヘッドライトによって照らされたのです
暗闇に最初に浮かぶ小さな無数の光、そして直後に現れる小鹿の白い斑点模様、そして最後に現れる雌鹿の大きな身体……
しかもライトで照らされた鹿が逃げるかと思ったらこれが全くそうではない
逃げるどころか光に向かって寄ってくるのです

 

お前ら自然界にない音を出している物体が怖くないのか!お前らを一瞬であの世に送れる鉄の塊だぞ!

 

時に急ブレーキを踏み(といっても30km/hしか出してないのですぐに止まれるのですが)、時にクラクションを鳴らし、1時間少しとカーナビが予想した浜頓別までの到達予想をたっぷり倍以上の時間をかけ、昨日初めて体験したランドアバウトの交差点に再びやってきたのは早朝5時
夜も明け、人間の住む世界まで戻ってようやく緊張から解き放たれました
肩がバキバキになった状態で、目的地の興浜北線北見枝幸駅跡地に到着です

 

交通公園と名はついていますが

 

あるのはこれくらいのもの

 

裏側です

 

こちらの一級食堂が駅があった時代から続く建物だということが唯一の見どころでしょうか
以前は真向いの宗谷バス枝幸営業所に興浜北線の資料があったらしいのですが、オホーツクミュージアムえさしに移されてしまったとのこと
だからこそ昨日あんなに急いでまでミュージアムに行ったのですが、収穫は非常に乏しいものでした
ここも見るべきものが他にないのであっさり終了です(笑)
時刻は5時40分、次の目的地にいきましょう

 


海岸沿いの1本道を少々飛ばして走ること40分、道の駅おうむに到着しました
こちらは元興浜南線雄武駅跡地にできた施設
ちなみに駅名は「おむ」ですが町名は「おうむ」という違いがあります

 

立派な展望台つきの道の駅ですが、まだ早朝なので入れません

 

隣にはA-coopもありますが、無論営業時間外です

 

とりあえず敷地の端っこにあった記念碑を撮影しました
実は道の駅内にも興浜南線の写真が展示してあったのですが、別に撮るようなものもなかったので撤収
テンポよくまいりましょう
お次は道の駅おこっぺへ参ります

 


この道の駅も名寄本線と興浜南線の分岐点だった興部駅跡地にできた施設
併設されている鉄道資料館に2路線の資料があるのですが、開館が9:00からなのでちょっと休んでから行こうという戦法です
そんなわけで1本道を15分ほどで到着しました
時刻は6:45、ここで1時間ほど2度目の仮眠をとった後、外に出てみました

 

けったいな色をした車輌が保存されています

 

こちらは
RUGOSA EXPRESSといい、雑魚寝の出来るHOSTEL出会いの宿と雑談の出来るSALOON語らいの舎の2輌で構成されているレストハウスなのです

 

しかし
ご覧のとおり感染症対策で閉まっています
実は計画を立てた当時
「お、興部に泊まれる場所があるじゃん、しかも充電とかもできるじゃん、じゃあ2日目の宿はここにしよう
と安直に決めた経緯があります
その後
「あれ、でももしかしたら閉まってるかもしれないぞ
と思い直した管理人は当日興部もしくは枝幸に宿を取ることを決めたのですが、その影響で
夜中に宗谷丘陵横断
という無茶な計画が誕生してしまったのです

 

HOSTEL出会いの宿の車内
反射で見えづらいですが、車内はフラットになっておりコンセントも確認できます

 

こちらはSALOON語らいの舎の車内
座席がそのままの形で残されています

 

側面

 

建物側から

 

広場にはD51 365の動輪が保存されています
さて、そうこうしているうちにいい感じの時間になりました
道の駅に入ってみましょう

 

鉄道資料館内です
資料館というよりは展示スペースの方が正確もしれません
こちらは名寄本線・興浜南線の年表

 

写真の数々

 

記念品や備品

 

こちらは廃止記念の駅スタンプ

 

日に焼けて薄くなっていますが、北海道全体の鉄道路線図と名寄本線・興浜南線の両線を拡大した路線図
こうしてみると名寄本線は名寄と遠軽を結ぶのに物凄く迂回していることがわかるかと思います

 

記念切符の数々

 

これにて展示品は終了です
さて、すっかり朝になった北海道
次なる目的地へ行きましょう
お次はまたも名寄本線
旧渚滑駅跡地に保存されている機関車を狙います

 

そうだ、忘れていました
北海道めぐり2日目
走行距離……616.8km
通過市町村……(1日目終了地点士別市から)名寄市(4)・下川町(3)・士別市(2)・剣淵町(2)・和寒町(2)・幌加内町・西興部村・雄武町・美深町・音威子府村・中頓別町(2)・枝幸町・浜頓別町(2)・猿払村・稚内市・豊富町
(市町村隣の数字は通過回数・地図の色分けも通過回数に従う)