北海道保存車輌制覇の旅~3日目その7~


そいつは突然車の前を横切りました
生い茂った暗闇の草むらから、何の前触れもなく突然です

 

 

 

そう、エゾシカです
察知した管理人、慌てて急ブレーキを踏むも時すでに遅し
ドンという衝撃音、しかしスピードが30㎞/hほどの低速からのブレーキを踏んだためか思ったよりは軽い打撃感と共に、鹿は転倒、車は停止

 

 

 

「うわ、やったか」
と思いながら車外に出ようとしましたが、鹿は自力で再び草むらの中へ消えていきました

 


少し先の登坂車線に車を止めてざっと確認したのですが、暗くてきちんとは状況が確認できません
それにしたってこんな山の中(いうほど山の中でもないのですが、闇の中では周りを森林に囲まれ、さらにアップダウンが続いたために山の中と錯覚しています)、あまり道路上で車を停めておくと二次被害が出かねないと判断した管理人は、鹿が自力で逃げたという状況も鑑みて、ひとまずは車を停めても安全なところまで走らせようと判断します
幸いなことに数キロ先は大空町の中心街
国道沿線に立地している「道の駅 ノンキーランドひがしもこと」に寄り、そこで損傷を確認しました
その結果

 

べっこりいっています
ここは先ほどの確認で発見したのですが、他にもバンパーが少し外れかけていたのと、フロントグリルに若干のカケが認められました

 

「やっちまったなぁ」
と頭を掻きつつ、頭を掻いていても仕方がないので、まずは#9910(道路緊急ダイヤル)にお電話です
「実は鹿と衝突してしまいまして」
から始まって対応を伺ったところ、鹿は自力で逃げているし道路交通上に影響はないので、警察とレンタカー会社に電話してくださいとのこと
「110番の方がいいですか、#9110じゃなくて?」
「そうですね、110番に」
というわけで人生初の110番です
ちなみに管理人、#9110は高校生のときにかけた経験があります
万代シテイをふらついていたら不審者に絡まれたので、自力で逃げた後に#9110に電話をかけ、
「自分自身には別に被害はなかったんですけど、どうしたらいいですかねえ」
なんて呑気な質問をした覚えがあります
「それはもう立派に迷惑行為で他の人にも迷惑を及ぼす可能性がありますので、職質をかけます、すぐに110番か近くの交番に行ってください」
というので、万代シテイ近くの万代交番に駆け込んだという次第です
あとからきいた話では、件の不審者は女子高校生に絡んでいたとのことだったので、呑気に電話をかける前に警察の応援を呼ぶべきでした

 

閑話休題
レンタカー会社に電話も済ませ、涼しい夜風にあたっていると警察が到着です
サイレンも鳴らさずにやってきました
確かに鹿と自動車の衝突は「自損事故」で(腹立たしいことですが)、当事者(?)の鹿もいないので、急いでくる必要もないわけです

 

パトカーに乗り込んで事情聴取を10分ほど
バンパーの外れかけたのを直し、再び北見へ向けて出発です
あのとき安心Wプラン加入しておいてよかったあ
なんて保険会社のCMみたいなことを思いながらラジオをつけます
チャンネルは昨日に引き続きSTVラジオ、北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズの一戦です
実況は工藤聖太アナ、解説は昨日と同じく稲田直人さんです
今日は負けているので稲田さんも昨日に増して辛辣です
9回、「デンデン太鼓投法」の秋吉亮選手が登板したのですが、ヒットとフォアボールで簡単に得点圏にランナーを進めてしまいます
するとアウトもストライクも中々入らない状況に、稲田さん
「ピンチでボール先行するとすーぐベンチ見るんですよ」
「秋吉ね、もっと堂々としてないといけませんよ、なのにビビッてベンチの方ばっかりチラチラ見る……ほらまたみたでしょう、これではダメですよ」
と怒り心頭
これには工藤アナも
「はい」「ああそうですね」を連発するばかりです
結局9回表は満塁から犠牲フライで1点を失い、試合も日本ハムは敗戦
稲田さんの怒りは収まらず、
「清水(優心捕手)も玉井(大翔投手。8回に登板し無失点に抑えるも、いきなり2塁打→1死後四球の危ないピッチング)も頭使わないと」
「佐藤(龍世二塁手)は守備妨害とられますよ」(何回か忘れましたが危うく交錯するところだったらしい)
その後の試合経過ダイジェストを聞きましたけれども、確かになあ、中盤までリードしていたのに一気に逆転されたらイラっとするし(1-1の5回裏に2点勝ち越すも6回表に一挙4点を取られる)、まだ2点差で抑えていけたら何とかなるのに中継ぎが失点を重ねていったら追い付けないよなあ……
昨日の敗戦に近い引き分けに引き続き、今日の投打にふがいない戦いぶりに稲田さんが歯がゆく思うのも無理はありません

 

管理人は国道334号線に分かれを告げて国道39号線に突入し、2度目の峠越えに突き進みます
この国道、昔々帝政ロシアの南下政策に対応するために網走監獄や空知監獄の囚人が酷使されて出来た軍事道路を前身とし、中央横断道路とも呼ばれました
鎖につながれた囚人が死んでもそのまま打ち捨てられるという有様で、人権などは全くないという、過酷と言う言葉では到底表し切れないほどの犠牲を払って開通した道路です
亡くなった囚人はのちに土に埋められたものの、埋葬した目印として鎖が置かれたり、あるいは鎖がついたままだったといいます
これらの人骨がのちに入植してきた人たちによって発見され名づいたのが鎖塚
現在でも緋牛内付近では39号線から少し入ったところに石碑が立った鎖塚が存在するくらい、北見の歴史とは切り離せない負の遺産となっています
ちなみに1日目に通った国道12号などもこの囚人道路に該当します
管理人はそんな道を一人で夜走っていくわけですから、物の怪の類を一人二人連れてきても何の不思議もありません
「帰ったら塩まいてもらおう
などと考えながら、縮こまる身体を奮い立たせてハンドルを握り、23時ころ快活CLUBに到着しました
鹿とぶつかった以外は何ともありませんでしたけれども、今日もかなり濃い一日に疲労はかなり溜まっていたようで、個室に入ってTwitter更新し、即寝入ってしまいました

 

北海道めぐり3日目
走行距離……589.8㎞
通過市町村……(2日目終了地点豊富町から)幌延町・猿払村(2)・浜頓別町(2)・枝幸町(2)・雄武町(2)・興部町・紋別市・滝上町・上川町・遠軽町・湧別町・佐呂間町・網走市(2)・小清水町(2)・斜里町・清里町・大空町・美幌町・北見市(2)
(市町村隣の数字は通過回数・地図の色分けも通過回数に従う)