年末年始の取材旅行~3日目その3


吹雪く中弘前駅に戻ってきました
すぐに弘南鉄道のホームへ入ろうとしたのですが
なるほどなるほど
弘前駅行きが到着し、なおかつその列車の乗客が全て改札してからでないと黒石駅行きの改札は行わない、と
そんなわけでまずは改札外の写真撮影からです

 

時刻表です
大鰐線と違ってラッシュ時は一時間あたり2本確保されてます
運賃も初乗り210円と地方都市(しかも県庁所在地でもない)の私鉄にしてはかなり良心的
そのかわりほぼ一駅ごとに運賃が上がっていくという仕様です

 

私が中高生だった時分、強風や大雪で列車が運転見合わせとなるとバスを乗り継いで登校したものですが、このときに乗るバスの市内均一運賃区域を走行する区間が短いうえに、均一運賃区域を抜けると一バス停を過ぎるごとに運賃が加算されていく路線で、当時の貧乏な私はその運賃上昇が怖かったことを思い出します

何しろ1000円で1400円分使えるバスカード(当時はまだあった。いまはICカードの「りゅーと」が導入され廃止)が小学生の時に1250円分になったことでも痛手だったのに、それに追い打ちをかけるがごとく
「電車が止まると登下校するだけでバスカード1枚ほぼ使い切る
という恐ろしい事態に、天気予報を見て戦々恐々としたものです

 

もう電車だけは止まってほしくなかったです
羽越本線の特急列車がひっくり返った事故の後だったため、強風による速度規制が結構厳格だったこともあって、季節風が強い冬場の列車はよく遅れたり運転が見合わせになったりしました(その後越後線に関してはあまりにも速度規制による遅れ・運転見合わせが頻発したため基準が緩和された)
本当に冬季はものすごく頭の痛い季節でした
なけなしの小遣いとそれの貯金は、ほとんどバス登校によって消えたといっても過言ではありません

 

「だったら雪の日なんか休めばいいじゃん
という外野の声はもっともなんですが、当時の私は小学校から続く精勤を意識していたこともあり(結局受験を除けば小中高12年連続精勤を達成した)、休むに休めなかったというのが実情です
しかし今になって振り返れば学校に行くことそのものが目的になっていますからあんまり褒められたもんじゃありません(笑)
ちなみに雪国の学校らしく(?)雪や風による遅れは考慮されており、公共交通機関を使っての登校であれば、雪や風の影響によって遅刻したとしても遅刻とみなさない暗黙の了解でした(そうしないと遅刻者だらけになってしまう)
意地でもバスを使った所以です(親が通勤に車を使い、しかも勤務地が学校から離れており、学校送迎すると出勤に間に合わないため物理的に困難だったこともある)

 

閑話休題
切符売り場
なんだか食券みたいな自動券売機です

 

開業92周年だそうです
半端なのにわざわざ張り紙を掲揚しているのは新年だからでしょうか

……そういえば元日でしたね

 

ホームの積雪状況
おそらく朝雪かきして、しかも屋根付きであるにも関わらず、もう1cmほど積もっています

 

大鰐線と違い明るくなってから来た列車ということもあり、旅行客のつけたスーツケースの車輪跡や地元利用客のつけた足跡が多いです

雪の中を走ってきたためヘッドマークが雪まみれで、何がデザインされているのかさっぱりわかりません

 

黒石駅方も同様にヘッドマークがわからなくなっています

 

上3枚はホーム番線とか駅名標の標記がやけにJRっぽいなあと思って撮った写真です
ここは東海道本線でしょうか?それとも湘南新宿ライン?はたまた上野東京ライン??

 

弘前駅の次は弘前東高駅なんですが、なぜか矢印の下には終点の黒石駅が印字されていてよくわかりません
「黒石駅に行く」ということを強調したいのでしょうか
しかし日本のほとんどの駅名標において矢印の下には次の駅が書いてありますから、常識破りの駅名標です

 

大鰐線と違いホームに余裕があるので楽に撮影できました
弘前駅方の車輌は前面に青帯が入り、黒石駅方の車輌には帯が入っていません
統一感のない編成です

 

前照灯点灯後再び撮影
このとぼけているような、眠たいのをこらえているような顔つきが面白いです
「トムとジェリー」にときどき出てくる子猫の顔つきを思い浮かべました

 

後追いがやけに暗いのは設定ミス

それにしても発車直前の目算で、定員ざっと100人×2輌の編成に5人ほどしか乗っていません
まあ元日ですし……

 

これが「日常」でないことを祈りたいですが、厳しい経営状況をみるとおそらく通勤・通学時間帯以外は乗客数人が「日常」なのでしょう

 

撮影を終えて改札に戻ると、駅員さんが
「いいのよ~その入場券持ってって」
というのでありがたく持っていきました
ただ無効印も押されませんでした(笑)

 

風がますます強くなる中、この旅のメインイベント2つ目
弘前駅8:48発の五能線臨時快速リゾートしらかみ2号が、青森駅からやってきました
取材旅行初のリゾート列車乗車です
2泊3日だし、元日だし、奮発してもいいかな~とウキウキしながら指定席券520円をはたきました
(……半分本当で半分嘘です。本当は次に撮る列車の撮影に間に合うにはこの列車に乗るしかなかった)

実は前日のリゾートしらかみ区間運休(新青森駅の掲示板でみたやつです)にびくついて、
「明日も運休になって乗れなかったらどうしよう
なんて思っていたのですが、ちゃんと定刻で運行していてうれしい限りです

 

個人的にリゾートしらかみはこの電気とディーゼルで動くハイブリッド式の新型車輛よりも気動車を改造した列車の方が好きなんですが、乗ってみて驚きました。むちゃくちゃ静かです
下手すると電車より静かです
とってもいいです

 

椅子です
もうちょっと柔らかい方が好きですが、
こんなにも伸ばせる足元の広さが不満を打ち消します

 

車内に置かれているパンフレットと乗車証明書
車内に流れる津軽弁の昔話が心地よいです

 

五所川原駅までの乗車時間約40分がものすごく短く感じるくらい楽しかったです
写真は入れ替わりで津軽三味線の車内パフォーマンス披露のため、私と入れ替わりで五所川原駅から乗り込む方々

 

側面

 

五所川原駅からも数人が乗り込み、発車していきました

 

さあ、次に撮るは津軽鉄道です