2020年秋の近鉄全線制覇~1日目その5~


各駅停車でのんびり揺られること約20分
伊勢若松駅に到着しました
ここで鈴鹿線に乗り換えです
伊勢若松駅では20分ほど待ち時間があったのですが、この時間にめぼしい通過列車は(ひのとりを含めて)なかったこと、伊勢若松駅12:15着の鈴鹿線列車(これの折り返しに乗る予定)は伊勢若松駅の構造上撮影が難しいこと、この後の移動に備えて体力を少しでも温存・回復しなければならなかったことという3点から、伊勢若松駅では一切撮影を行わず、ベンチで寝ていました

 

12:15にやってきた列車はコンサルタント会社の広告ラッピングが施されていました
5分後に発車したカラフルな車輌はよく晴れた田園の中をまっすぐ進み、三重県道23号・伊勢鉄道の高架下をくぐって鈴鹿市駅に到着
6分で着きました
管理人はここで降りて、伊勢鉄道との交点近くまでの1km弱を歩きます
近鉄鈴鹿線と伊勢鉄道の交点近くには伊勢鉄道鈴鹿駅が存在し、さらにタイミングよく列車も来るというオイシイ状況
こんなチャンスを逃すわけにはいきません
そう、この取材旅行1日目に設定された「」(何言っているかわからない人は「準備編」をお読みください)とは、鈴鹿駅での伊勢鉄道撮影だったのです

 


ご覧のとおり、ほぼ線路沿いを歩く平坦な一本道で大変にわかりやすい
しかし重い荷物を背負っていることもさることながら、「厚手のコートを着ている」ことが追い打ちとなって体力を奪っていきます
この日出発時点での東京の気温は5度にも達しておらずロングコートを着ていったのが、鈴鹿市到着時点での鈴鹿の気温は16度!
太陽は照り、風も吹かずという状況の中でロングコートは明らかに過剰です
手に持つのも癪なので着たまま歩きましたが、あの状況下でロングコート&マスク姿はもはや不審者です

 

途中撮影した鈴鹿市役所
低層な住宅と畑が広がる中ではよく目立つ建物です
伊勢鉄道の高架橋も畑の中をドーンと横切っているだけあって、600m手前からでもはっきりと見えました

 

暑い思いをしながらてくてくと歩くこと10分ちょいで撮影地点へと到達しましたが、問題となったのは
門構えの架線柱
単線路線ならば左右どちらかだけに架線柱があってもう片方はがら空きというケースが多いところ、近鉄は単線から複線からなんでもかんでも門型架線柱(しかも大抵送電線付きの二段型)で、右にも左にもスキがない

 

しょうがないので
「門」からでてきたところをこんな感じに撮るわけです
ちなみにこれは乗ってきた電車の折り返し
時間的にも撮影地点についてから5分と経たずに通過していくという、本当にちょうどいいタイミングでした
「鈴鹿線どこで撮ろうかなあ……あ、線路の両側に道が通っているからうまくいけばそこで撮影できるじゃん!……あ、近くに伊勢鉄道も走っているじゃん!!歩けない距離じゃないな……お、どっちもちょうどいい時間に電車くるじゃん!!!」
1か月前の時分に「あっぱれ」をあげたい気分です(笑)

 

首尾よく撮影を済ませた管理人は、今度は伊勢鉄道の鈴鹿駅へ
鈴鹿市駅は駅前にファミリーマートもあり、ちょっとした商店もあったので、鈴鹿駅はどうなんだろう、住宅街と畑の境目だけどなんかあるかな……と内心少し楽しみながら鈴鹿駅へ向かいました
ところが
いや、本当はわかっていたのです
でも信じたくなかったのです
鈴鹿駅の駅前がロータリーだけだなんて!!

 

店も何も、何かものを売っているといえばこの自動販売機2台しかありません
あとはパークアンドライド用の駐車場・駐輪場が高架下にあるだけ
なんということでしょう

 

駅に入るためサッシの扉に近づくと、自販機の前にいた「近くに住む住民かな?」というようないでたちのおっちゃんが一言
列車乗るの?

 

……

 

あなたが駅員さんだったんですか!!
真昼間の運行時間帯に制服も制帽も身に着けておらず、缶コーヒー飲んで立ち休みしている人が、まさかこの駅の駅員さんだとは思わないわけです

 

面喰って「いや、あの、えっと、入場券を買いたいんですが」
「入場券でいいんかい」
「はい」
「そっちから入って……今は切符売ってない時間なんだけどね(笑)」

 

私は知らなかったのですが、
鈴鹿駅にはこのように「きっぷ発売時間」なるものが存在するらしく、私が鈴鹿駅に着いた12:50頃というのは発売の時間外だったようのです
たまたま駅員さんが外でコーヒー飲んでいたおかげで販売してくれましたが、事前情報では全くわからなかったことでした

 

160円の硬券入場券片手に建物の外に出ると
これが「改札口」だそうです
左手に見えるサッシの扉が、私が出てきたところです
改札には到底見えないですが、「改札口」です
白飛びするほど晴れているんですが、見てのとおり高架下は薄暗いですし人気は勿論ありません

 

「改札口」を反対側から撮った写真
本来はこっちから行くのが正しい駅への入り方っぽいです

 

その証拠に
自販機奥の柱に「改札口」って書いてあります

 

 

トイレ
小型の男性用小便器がちらっと見えます
ここまでさびれていると薄気味悪さすらあります
防犯という観点からいっても、このトイレの状況は難ありと言わざるを得ません
一応駅員常駐ですが、きっぷ発売時間帯以外は外でコーヒー飲んでいます(笑)し、防犯カメラの類もなさそうな感じです

 

ホームへと続く階段
エスカレーター・エレベーターなんていう洒落た機械は無論ありません
自力で階段を踏みしめていかないといけません
高架駅なのにこれはちょっときつい

 

四日市方面ホームへの階段
2つ用意されています

 

一方津方面ホームへの階段は
この1つだけ
この差は何なんでしょうか

 

ホームです
雲一つない青空」とは正にこのような日のことをいうのでしょう

 

雲どころか人もいない鈴鹿駅にやってきたのが
鈴鹿駅12:56発の津駅行き
ものすごく長い行き違い設備とめちゃくちゃ長いホーム長に似合わない、単行のディーゼルカーです
乗客はそれなりに乗っており、鈴鹿駅で降りる人も2、3人いましたが、乗る人は0

 

しかし津に行くのにこれに乗るのと近鉄鈴鹿線経由で行くのとではどっちがいいんでしょうか
伊勢鉄道は普通1時間1本、快速みえを入れても2本ですが、実は近鉄も昼間鈴鹿市駅を発車するのは毎時2本で、しかも伊勢若松駅で必ず乗換を必要とします
反面近鉄は鈴鹿市の中心地に駅を構え、駅構内は構内踏切を通って行き来できる地上駅、伊勢若松駅にもエレベーターが設置されているのに対し、伊勢鉄道は街の外れの高架駅、しかも上の写真で見た通り自力で階段を上らないといけません

 

そんなことを考えながら
今度は13:07発の四日市駅行きで伊勢鉄道のページを飾る写真を撮ります
車輌側面に大書されている伊勢鉄道のロゴを使おうという腹づもりです
というわけで伊勢鉄道伊勢線のページはこちらからどうぞ

 

これで伊勢鉄道の写真は終わりですが、まだ鈴鹿駅での撮影が残っています
まずは伊勢鉄道ホーム先端から
鈴鹿市駅13:10発の伊勢若松駅行き
これは鈴鹿市駅を12:56に発車する列車が行くのが伊勢鉄道のホームから見えたため
「あ、こっから撮れるじゃん
というので撮った写真
12:56の列車の折り返しです
枯れ草が広がる一面畑の中で、レインボーの車体がよく映えます
後追いですが、これを鈴鹿線のページに(こちらから)
一方先ほど撮った
この写真は、鈴鹿線の前身である神戸線(「かんべせん」と読みます。こちらからどうぞ)に採用しましょう

 

相変わらず閑散としていますが、先ほどよりはホームに人が集まってきました
こんなベンチに座っています
見るからに硬そうで、ずっと座っているとお尻が痛くなりそうです(そんな長々と座っている人もいないでしょうが)

 

やってきたのは13:17発快速みえ9号鳥羽駅行き
同じく13:17発の快速みえ12号名古屋駅行きと、ここですれ違います
これに乗る客のおかげで、しーんとしていた鈴鹿駅がちょっとだけ活気を取り戻しました

 

鈴鹿駅での撮影はこれにて終了
伊勢鉄道の前身である国鉄伊勢線用のページに使うため、時間が合えば特急南紀を撮る予定でしたが、11:54発の次は15:25発だったので断念
しかし伊勢鉄道の写真を確保できたほか、参宮線のリベンジとして快速みえを撮れたので上出来です(リベンジした参宮線のページもどうぞご覧ください

 

……このように「ついで」じゃないとリベンジする気力って起きないんですよねぇ
今回は鈴鹿線の列車に乗るまで時間的余裕があったこと、伊勢鉄道の普通列車が来た後にそう間をおかず快速みえが来るというダイヤだったことから、「撮っておこうかな」という気になっただけです
もし鈴鹿線の列車本数がもっと多かったり、普通列車がきてから1時間も経って快速みえが来るようだったら躊躇なくリベンジすることを諦めたでしょう
私の鉄道写真撮影はそれくらいのみみっちいマインドでやっています(笑)
ちなみにリベンジ前、夏の取材旅行で撮った名古屋駅での写真がこれ
その時の話しはこの記事に書いてありますので、もしよかったらどうぞ

 

無事撮影が終わったので

再びこの道を通って帰ります
当初の予定では鈴鹿市駅ではなく一つ伊勢若松駅寄りの柳駅から乗る予定だったのですが、思いのほか鈴鹿市駅~鈴鹿駅の道がわかりやすく歩きやすかったので往復することに

 

途中
鈴鹿市駅を13:26に発車する平田町駅行きに追い越されます
今までの話からお判りでしょう、私が乗るのはあの列車の折り返しです

 

鈴鹿市駅には歩いて13分で到着
Googleの予想よりも時間が余計にかかっているのは、鈴鹿市役所前にある交差点で信号待ちをしたからです
ちょうど青から赤に切り替わるタイミングで交差点に到達したこともあって余計に時間がかかり、発車時間ギリギリでの到着になってしまいました

 

鈴鹿市駅13:40発の伊勢若松駅行き列車は、予想通り先ほど抜かれた列車の折り返し
列車の中でリュックサックの中を整理するついでに、ロングコートは脱いで畳んでしまってしまいました
ちょっと涼しくなりましたが、肩にかかる荷物の重量はその分増しています

 

伊勢若松駅には13:45に着き、タイミングよく来た13:48発急行松阪駅行きに乗車
本当は津駅でやりたかったこともあったのですが、大した用事でもないのでスルー
松阪駅には14:26に到着しました
本日の宿はここ松阪
宿泊地への到着が15時前などというのは取材旅行始まって以来の指折りの早さです(最速は年末年始の取材旅行で青森駅13:46着。ただしこれは最初の到達時刻でこの後新青森駅に行って戻ってきた)

 

管理人はここで日没の16時半頃まで粘り、宿に入る前に一気に撮影を済ませてしまいます