年度末・年度始めの取材旅行~第1弾その1
おや、題名が「1日目」ではありませんね……
そう、今回の取材旅行は日帰りの旅行3つの組み合わせであり、これまでの取材旅行のような宿泊は伴わないもの
そのため今回は連続的な「1日目」「2日目」ではなく「第1弾」「第2弾」と銘打ってみたいと思います
今回の旅のスタートは西武新宿駅から
西武新宿駅6:18発の急行本川越駅行きに乗車するところから始まりました
乗車した列車はS-TRAINに充当されるもの
クロスシートを回転させてロングシート状に出来る車輌です
このカラクリがついた車輌としては近鉄のL/Cカーが有名です(愛称まであるくらいですし)が、近年になって東武・西武・東急なども採用に踏み切ったようです
座席指定車として運用するときはクロスシートがいい、しかしそれだけに特化させるのは無駄なので普通の運用にも組み込むためにロングシートの機能も欲しい……
L/Cカーは「急行などで運用する際の長距離利用者のためにクロスシートがいい、しかし通勤通学時間帯に充当させるためにはロングシートの方がいい」という思想の下で製造されたので、東西で設計思想が若干違うにもかかわらず結果としては同じような機構を持つ車輌が誕生したのが面白いです
私としてはただのロングシートよりも明確に「一人分のスペース」が確立されていて、しかもヘッドレストもあるという点で、このカラクリ車輌は結構好きかもしれません
ロングシート状態にした際に、窓から背もたれが見えてしまうことには目をつむりましょう(笑)
所沢駅には7:15着
ここで急行飯能駅行きに乗り換えです
所沢駅の発車メロディがとなりのトトロの「さんぽ」なのは初めて知りました
何回か使ったことあるはずなのに記憶にないなあと思って帰ってきて調べたら、去年(2020年)の9月から所沢市の市政70周年記念ということでジブリが協力したんですね(西武鉄道のプレスリリースより)
2分で乗り換えた急行飯能駅行きもS-TRAIN用の車輌ということでちょっと気分が上がります
しかし車内はハイキングへ行くと思しき老人の集団でいっぱい
なんとか1人分の席を確保しましたが、お年寄りのおしゃべりというものは尽きないと相場が決まっています
この集団も御多分に漏れず車中は大変賑々しかったので、私は寝ることも出来ず暇を持て余します
この急行は終点の飯能駅で長瀞・三峰口駅行きと接続するちょうどいい列車なので、おそらくは私の降りる高麗駅まで道中を共にする羽目になるだろうと予想すると、
「高麗まで一緒か……」
という、ある種の諦観にも似た気持ちがこみ上げてきました
半覚醒状態で電車に揺られ、飯能駅には7:41着
約10分の乗り換え時間で秩父鉄道に直通する長瀞・三峰口駅行きに乗り換えますが、例のご老人グループも全員この列車に乗り換えたので、席を確保すべく写真は撮っていません
しかし乗ったとたん車内のなんとも言えぬ変な臭いが鼻をついたのには閉口してしまいました
眠気は瞬時に吹っ飛びましたが(笑)
高麗駅にはちょうど8時に到着
この駅で降りてハイキングに出発するグループもあるようで、私と一緒に降り立ちました
高麗駅を訪れるのは浪人生の時以来
私の通っていた予備校では、例年5月あたりに「地理の現地実習」と称し、センター試験・二次試験で必ず出るにも関わらず受験生が苦手とする地形図の読み方や地形図に関連した問題を、地形図を片手にその土地を歩くことで実際に体感するフィールドワークを行っていました
行くところは毎年変わるのですが、私の年はちょうど飯能駅から天覧山・多峯主山経由で高麗駅までを歩くコースで、今回の訪問はその時以来のことです
懐かしいですね、あのときちょうど「ヤマノススメ」というアニメが流行っていたようで、途中立ち寄ったコンビニでそのアニメののぼりが立っていたことを思い出します
このアニメは大学入学後にAmazonPrimeVideoで視聴しました
観音寺の「白い象の像」などは「あ、これ進○ゼミでやったところだ!実習で見たところだ!」
なんだか嬉しい心持になりました
聖地巡礼に勤しむファンの心情が理解できた瞬間です(私の場合は「実際に土地に行く」→「アニメで観る」ということで順番が逆でしたが)
閑話休題
私は高麗駅前にそびえたつ「将軍標」に見送られて、歩き始めました
毎度おなじみ、長距離徒歩移動です
今回は
通称「高麗カーブ」までの1.6kmを歩きます
こないだ歩いた4kmのように面白い話でもあればいいんですが、道はほぼほぼ平坦、すれ違うのは車とトラックだけ、時間に追われているわけでもなしといった状況だったんで、なにも書くことはありません
ちょうどいいハイキングです
迷うこともなく20分ほどで「高麗カーブ」までたどり着きました
……また余談めいたことを話しますと、最初ネットなどで「西武秩父線の撮影は『高麗カーブ』がいい」と書いてあるサイトはいっぱい見つかったのですが、「『高麗カーブ』はどこにあるのか」なんてのはほとんど全く書かれていなかったのです
多分普通ならば「お立ち台通信」みたいなので情報収集するんだとは思いますが、そのときはそこまで考えが回らず、写っている風景とGoogleMapsのストレートビューを駆使して
「この辺ではなかろうか」
とアタリをつけました
たまたま当たっていたのでよかったのですが、これは次回への反省点でしょう
なんでもネットで情報が集まると思ってはいけません
備忘録も兼ねて記しておくと、「高麗カーブ」はGoogleMapsでいうところの「旧祥雲橋親柱 道路橋脚新設記念碑」とポイントが置かれている地点の近くにある踏切(と、その付近にある農道・林道)です
撮影例としてはカーブ内側で三脚を立てて見上げるような構図のものもあったのですが、見た感じちょっと手持ちの武器ではそれがしにくい
というわけで
踏切を渡った先にある林道のような道に三脚を立てて撮影することにしました
こんな感じです
初めて三脚を使って撮影するということもあって勝手があまりわからず、最初はえらく苦しみました
8:28頃通過した特急ちちぶ72号池袋駅行き
手前の柵の先端が写ってしまっていますし、なんか架線柱の主張が激しい
8:40頃通過の各駅停車飯能駅行き
4輌だと結構よさげにおさまりそうです
そういえばあるサイトにも「特急などの長編成は後ろが切れる。短編成でちょうどいい」と書いてありました
上の写真は8:42頃通過の各駅停車西武秩父駅行き
下は8:45頃通過のS-TRAIN1号西武秩父駅行き
S-TRAINはシャッタースピード1/250で撮ったのですが切れました
今回のS-TRAINはお試しというか別に狙っていたわけでもなく(第2弾で撮る予定だった)本命の「52席の至福」を撮るための前座扱いだったので、大してショックとは思っていません
……「あわよくば今回で仕留めちゃって第2弾では楽したい……!」などとよこしまなことを考えていなかったかといえば嘘になりますが(笑)
ただ特急ちちぶはここで仕留めたいと思っていたので、あの銀色の8輌編成をどう収めるかについてここからいろいろ試行錯誤を始めます
これは全体を入れようとしてミスった特急ちちぶ18号
9:03頃通過の各駅停車長瀞駅&三峰口駅行き
これは上のちちぶよりも若干カメラを外に振って撮ったのでそれなりに綺麗に収まったのですが、相変わらず柱の主張が激しい
後ろ切れてもいいから特徴的な顔にしっかりフォーカスした方がいいかもなあなんて思いながら一服します
8時半~9時の間は特急やS-TRAINなどが行きかうおかげで結構列車が通過するのですが、ここを過ぎると各停2本+特急のパターンとなって30分くらい時間が空くこともあるので小休止です
たまーに林道を地元の人やサイクリストが通っていくので挨拶するのですが、その中で出会ったおっちゃん2人は休日の「高麗カーブ」の状況をよく心得ているようです
「おはようございます」
「はいおはようございます、今日はなんか珍しいのくるの?」
「12時過ぎぐらいにくるんですよ」
「へぇいい場所先取ってるんだ」
「まぁそんなところですね」
「ここ凄いからねぇもう少しすると車がそこの道ずらーって止まるよ、ここも埋め尽くされる」
「そーなんですか」
本当でしょうか
9:19頃通過の特急ちちぶ7号
柱以外は個人的にはいい感じに収められたのですが、表示が「Chichibu」なのはちょっとなあ
9:28頃通過の各駅停車西武秩父駅行き
ちょっとびっくりしました、「あれ、こいつも秩父線くるんか」と
この2枚はシャッタースピード1/160で撮ったもの
これだと切れませんね
また少し時間が空くので一服します
人通りがあまりなく動物の類が出てきても困るので、浪人時代の例の「地理の現地実習」の録音を流すことにしました
これ6時間くらいあって、その間講師の講釈や我々の話し声・笑い声が延々と流れているので、普段はタイマーかけて「安眠用」に使っているのですが、今回は「獣除け用」として登板してもらいましょう
9:56頃通過の各駅停車西武秩父駅行き
この形式も来るんですね
10:14頃通過の各駅停車西武秩父駅行き
4両編成の写真に関してはこんな感じでいくことにします
この辺でだんだんトイレに行きたくなってきたのですが我慢していると、カメラを持った二人組が……
先ほどのおっちゃん達がいっていたように、そろそろ集まり始めるのでしょうか
11:15頃通過の特急ちちぶ11号(ちちぶ9号は失敗して写真を消去した)
ちちぶも全体が写っているものはこんな感じでいいかなと思われましたので、この段階で管理人は三脚の位置を動かすことをやめました
あとはカメラの微調整だけにし、「52席の至福」つまり4輌編成の車輌がきちんと収まることを意識して前座たちの撮影にいそしみます
ここでなんと1時間ほど前にきた例の2人組が撤収し始めました
私の後ろ、つまり踏切の近くで写真を撮っていたのですが、急に三脚・カメラなど片付けて武蔵横手駅へ行ってしまいました(彼らの話しが漏れ聞こえてきた)
あれ、「52席の至福」は……?
もしかすると私が邪魔だったのでしょうか
上から11:48頃通過の各駅停車飯能駅行き
11:53頃通過の特急ちちぶ24号池駅行き
11:56頃通過の各駅停車西武秩父駅行き
お尻を切った状態でのちちぶの感触を確かめます
というわけで12:15頃通過の特急ちちぶ13号西武秩父駅行き
影が斜めに入っていますが、この特徴的な顔を正面から捉えたかったのでしょうがないでしょう(ということにしておく)
既に散々述べた「柱問題」もあって、西武池袋線のページを飾る写真はこれで決定です(西武池袋線はこちらから)
12:24頃通過の各駅停車西武秩父駅行きで最終確認し……
やってきました大本命、「高麗カーブ」12:32頃通過の「52席の至福」西武秩父駅行きです
朝からちょっと寒いのとトイレを我慢してきたのはこれを撮影するためでした
いやはやよかったよかった
この「52席の至福」は西武秩父線のページに採用です(こちらから)
それにしても撮影場所には私を除いてただ一人、「52席の至福」通過直前に車でやってきた男性しかおらず、2人きりでの撮影となったのには拍子抜けでした
例のおっちゃんの言っていたことは、この日に限っては当てはまらなかったようです
さあ、急いで撤収しましょう
管理人はここから武蔵横手駅へ歩きます
武蔵横手駅13:00発の西武秩父駅行きに乗るため、「高麗カーブ」から駅までの1.8㎞を約30分で歩いていきます
“年度末・年度始めの取材旅行~第1弾その1” に対して2件のコメントがあります。
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