北海道保存車輌制覇の旅~2日目その4~


名寄市北国博物館を20分遅れで出発した管理人
次に向かうは上興部というところにある鉄道資料館です
この鉄道資料館は名寄本線上興部駅駅舎をほぼそのまま活用し、その中に現役当時の資料や車輌が展示されているのだとか
そんな前情報を胸に、いざ行ってみましょう

 


ご覧のとおり、早朝7時前に土砂降りの中撮影しに向かった下川駅近くを通り過ぎていきます
なお時刻11時、現在の名寄市街はピーカンに晴れています
「名寄→下川→上興部の方が行程も効率的だし、結果論だけど晴れているしよかったんじゃん」
という外野の声が聞こえてきそうですが、この計画を組んだときの管理人の頭の中は
「士別→和寒→幌加内と向かうと、幌加内交流プラザにたどり着くのが早くなりすぎる、じゃあ和寒向かう前に士別に近くてすぐ撮影できる下川行けば、あとで名寄→上興部と向かう際に寄り道しなくて済むじゃないか」
ということで、行程の効率のことはあまり重視していなかったというのが実情です
なお
「計画段階で朝もっと起きるの遅くすればよかったのでは?
という再反論には何も言い返すことができないのですが(笑)
そんなわけでほとんど平坦な国道239号線を再び下川方面へ飛ばし、上興部鉄道資料館には11時40分頃に到着です

 

駅舎の目の前はレンガ敷きとなっており、玉砂利で描かれた機関車のモザイク画が

 

綺麗に整備されています
駅舎入口のサッシは施錠されておらず(少なくとも昼間は)、「入ったら扉は閉めてください」という注意書きの張り紙はあるものの勝手に入れます

 

風除室の壁にある黒板とはっつけてある張り紙
来館日(2021年8月24日)は火曜日だったので大丈夫

 

入ってすぐ左側の駅窓口
こんな感じの窓口がかつて管理人の地元の駅にもありました
まだ自動券売機がボタン式で、自動改札機も導入される以前、駅員さんが切符にハンコで改札していた頃の話です

 

窓口の隅にはジパング倶楽部の宣伝が
とくとく切符のキャラクター、らくだっちの実物を初めてみました

 

窓口横、記念館の建設に寄せて書かれたメッセージ

 

同じく窓口横に掲示されている1982年現在の北海道国鉄路線図
特定地方交通線の中でも輸送密度82と異次元の成績を叩き出している美幸線や、特定地方交通線にはならなかったものの地方交通線としては文字通りケタ違いの輸送密度となっている深名線が目につきます
名寄本線の輸送密度は894
特定地方交通線の中では中程度の成績でしょうか

 

窓口上の運賃表
漢数字書きの運賃表は札幌まで1000円で行けたり等級が書いてあったりと、相当昔の運賃と思われます
数字書きの方は平成元年の名寄本線廃止直前のもの
数十年で4倍近い値上げです

 

駅舎入口上部に掲げられている横断幕

 

市街図と広告

 

待合室のベンチの後ろには、保線員は乗って軌道上を走る人力車が
ペダルや手動ブレーキが見えるとおり、どう見ても自転車の改造です
人力でなくモーターで走るものは現在でも時折目撃情報が上がりますね

 

発車時刻表
「本線」なのにたった1枚の黒板で済んでしまうほど列車の本数は少ない

 

ホームに出てみました
2番線に急行列車が停まっています

 

急行の後ろには除雪車の頭の部分が

 

2番線側から撮影してみました

 

急行の妻面

 

車輌内部
座敷になっています

 

全面幕は急行ですが、なぜか側面は「団体専用」
しかも丸の中に「函」と書いてありますから、はるばる遠く、函館のものを持ってきたのでしょうか

 

2番線から急行を

 

2番線から駅舎を撮影します
「ここは汽車は通りません」という看板は、向こう側に見える道にあった踏切に掲げてあったものでしょうか
なんとなく寂しさを覚えると共に、「『汽車』は通りません」という書き方に北海道らしさを感じます

 

駅事務所側にも入ってみました
先ほどの窓口の裏側に掲げてあったもの

 

DE10用の機器系統指示動作盤と書いてありますが、無知なので何にどう使うのかがわかりません

 

駅名標やダイヤグラムや写真などいろいろ保存(というか保管というかただ置いてあるだけというか)されています

 

こちらも指示書き

 

ちょっと暗いですが名寄本線の歴史と存続運動の歴史が書かれています
注目は昭和63年10月・11月に書かれている「第三セクターでの存続断念」というところ
しかもこの存続案は北海道副知事が出しています
つまり廃止直前に名寄本線は一部第三セクター化の動きがあったということになります
もっとも沿線自治体は全線での存続を目指していたことが読み取れますが、この情報は初耳です

 

掲示物いろいろ
「思い出お~い」というのはキャッチフレーズでしょうか
保存物も多くかなり満足度の高い訪問となりました

 

願わくば棚に無造作に陳列されていたこの辺の資料をデジタル化してもらえると嬉しいのですが、クラファンかなんかで何とかならんものでしょうか(そしてそのデジタル版を国会図書館に送れればいうことなしなのですが)

 

さあ、結構充実していましたが時刻は11:50
10分捲きまして次の目的地に向かいます
お次は……

 

……

 

「まーた下川通るんかい!!」